シャトー・ダルサンスの歴史は大変古く、ブドウ栽培は今から700 年以上前に、テンプル騎士団の先導によって始まりました。しかし1971 年にカステルファミリーがこのシャトーを取得した時、シャトーも畑も大規模な修復が必要な状態でした。それは同時に、他のシャトーにとって羨望の的となる、画期的なリノベーションの始まりでもありました。 1980 年代に史上初めての円形の醸造所を実現。 その中央には20万リットルの容量を誇る巨大なアッサンブラージュタンクが設置され、このタンクのおかげでどのヴィンテージも品質にばらつきのないワインを作り出すことが可能になりました。シャトー・ダルサンスに近づけば、オー・メドック地区クリュブルジョワの偉大なる歴史の中にいつのまにか入り込んでしまうことでしょう。そしてシャトー・ダルサンスの特徴的なスタイルは、威厳と格式を備えたオー・メドックのワイン達の中にその名を刻み続けることでしょう。
Haut-Médoc
Château d’Arcins
シャトー・ダルサンス
2012
2012ヴィンテージはブドウの成熟までに時間がかかりました。春は雨が多く、涼しい気候でした。そのため、病害が発生しないよう厳重に警戒しました。7月は涼しく、8月は暑く猛暑日が続くこともありました。そして、9月は暑く乾燥していたため、成熟の遅れを取り戻すことができました。今回もまた、この偉大なるテロワールは素晴らしいワインを生み出すことでしょう。そして、そこにはブドウ栽培を適切に導く‘人‘が常に存在しています。 収穫はブドウ選別が可能な機械で行います。メドック初の円形の醸造室に運ばれたブドウは、2日~4日、発酵前低温浸漬を行います。発酵温度は25度です。タンニンの状態を見分けながら、液循環のルモンタージュを適切に行うために、週三回各タンクのワインをテースティングします。タンクで30日間、温度26度でマセレーションを行います。バトナージュはマロラクティック発酵終了まで行います。この手順を踏むことでワインにボリューム感が現れます。熟成はフレンチオーク樽で12ヶ月行います。新樽率は20%です。口の中に含んだ時、粘性とボリューム感をより感じるよう、熟成中ワインを温めます。
The tasting notes
色合いは深みのあるパープルカラーで、濃厚な香りがします。 完熟した果実の心地よい香りと、高貴な樽香がします。口に含むと、芳醇でアルコール感があります。上品なタンニンと、しっかりとした骨格に、ユーカリのニュアンスがフレッシュ感と複雑さをもたらしています。このヴィンテージもまた、非常に素晴らしいワインに仕上がりました。
— FOOD/WINE PAIRINGS :
テリーヌ、子羊のロティ、鴨のベーコン包み焼、牛フィレ肉、ジビエ、熟成したチー ズとも良く合います。
— AGING POTENTIAL :
いますぐに飲むことが出来ますが、5~12年の熟成もおすすめです。
— SERVE :
2時間前に開栓。17℃が理想的。
Technical details
栽培面積:101ヘクタール
栽培密度:9.600本/ヘクタール
土壌:粘土砂岩質
品種:メルロー 55%、 カベルネ・ソーヴィニョン 45%
熟成:樽で12ヶ月間熟成。 そのうち20%は新樽。
Awards
médaille d'or
concours de bordeaux
vins d'aquitaine 2014
médaille d'argent
concours mondial
bruxelles 2014
THE VINEYARD
THE VINEYARD
シャトーの敷地面積は170ヘクタールで、そのうち110ヘクタールがブドウ畑、1ヘクタールあたりの栽培密度は9,600株となっています。ブドウの樹の平均樹齢は20年~25年です。収穫は伝統的手法で行われます。成分が十分に凝縮し、最も良い成 熟状態に達したブドウを収穫するために、5月ごろから摘芽や摘葉をした後グリーンハーベストを行うなど、栽培には徹底した配慮がされています。砂岩と砂利が混じりあう土壌も、シャトー・ダルサンスのワインに特徴的なスタイルを持たせます。
THE VINIFICATION AND THE CELLAR
THE VINIFICATION AND THE CELLAR
1971年から大規模な修繕工事が行われました。まずは醸造所には当時革新的だった円を描くようにタンクが配置されました。全てのタンクは温度調節機能を備え、アルコール発酵・マロラクティック発酵の各段階をより最適な状態で行うことがで きるようになりました。また、樽貯蔵庫には1500本以上のオーク樽が置かれ、ゆっくりと熟成を続けています。
Behind the scenes
非常に謙虚な性格の持ち主、それがメートル・ド・シェ、ブルーノ・テイシエです。 23歳からこのシャトー一筋で働く彼はその技術を認められ、40 代でシャトー・ダルサンスの総責任者になりました。 目的に向かって一直線に進む彼が常に念頭に置いていることは、シャトー・ダルサンスの真髄に忠実であること、そして、優美さを求めつつアッセンブラージュの際に細心の注意を払いながらワインをセレクトすることです。また、彼がもっとも魅かれるのはブドウの収穫で、彼にとってはまさに「幻想的な瞬間」なのです。
2007年ヴィンテージからワインコンサルタントのアントワーヌ・メドゥヴィル氏が醸造と熟成の指導に加わりました。メドゥヴィル氏はメドックワインのスペシャリストで、特にマルゴー、ムーリス、リストラック各村のテロワールを熟知しています。 著名なシャトー・ラベゴルスやシャトー・フォンレオー、シャトー・オーマルビュゼの醸造にも携わり、自身もシャト ー・フルール・ラモットの共同所有者でもあります。