カストル・ジロンド村にあるシャトー・フェランドゥは、もとはこの地の領主の館で、19 世紀末に改築された美しい建物です。このドメーヌの歴史は古く、紀元前1 世紀にはカストル村にローマ人が駐在していたことから、その頃から多くの人々が往来する大規模な集落があったと考えられます。シャトー・フェランドゥは、多くの傑出した人物が城主として名を連ねています。カステルファミリーは、当時の城主デルノー提督から土地を借り受け、16 年間経営にあたった後、1992 年にこのシャトーを買い取りました。最高の品質を追求し続けるシャトー・フェランドゥでのワイン造り。その姿勢と造られたワインの質が評価され、当シャトーは世界的な名声を勝ち取り、厳選されたメンバーのみが加入を許されるユニオン・デ・グラン・クリュのメンバーとなることができました。

Graves

Château Ferrande / Rouge

シャトー・フェランドゥ / 赤

2021

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カストレ・シュル・ジロンドに位置するシャトー・フェランドウは、荘厳な杉並木と多様な庭園に囲まれています。カステル家は、その並外れたテロワールの品質に惹かれ、1992年にこのワイナリーを買収しました。グラーヴ地方のギュンツィアン期に形成された独特な砂利質の土壌が、ワインに力強さとエレガンスを与え、また、醸造所への近代的な投資が生産の最適化に貢献しています。有名な赤ワインに加え、シャトー・フェランドウはカステルファミリーが所有するボルドーのワイナリーの中で唯一、アペラシオンの伝統的なブドウ品種を使って白ワインも造っています。ユニオン・デ・グラン・クリュの一員であるこのシャトーの、特徴的な黄色いラベルは、その高い名声の象徴となっています。

The tasting notes

このワインは、紫がかった光沢を持つ美しい深いガーネット色をしています。香りは、カシス、ブラックベリー、チェリーなどの黒い果実と、ラズベリー、イチゴなどの赤い果実が混じり合う、表情豊かなものです。また、フローラルなノート、甘いスパイス、控えめな樽の香りも感じられます。味わいはバランスが取れており、フレッシュでベルベットのような舌触りで、熟したタンニンとフルーティーでエレガントなフィニッシュが特徴です。この調和の取れたグラーヴは、若いうちから楽しめますが、数年間の熟成にも適しています。

— FOOD/WINE PAIRINGS :

自家製テリーヌ、トマトの肉詰め、ジロール茸の仔牛肉のロースト、グリルや燻製にした肉、ゴーダ、エダム、ライオールなどのチーズによく合います。

— AGING POTENTIAL :

すぐに楽しめますが、冷暗所に寝かせて3~10 年の熟成もお勧めです。

— SERVE :

1時間半前に開栓、14℃ - 17℃が理想的。

Technical details

栽培面積:90ヘクタール
栽培密度:9,600本/ヘクタール
品種:メルロー 67%、カベルネ・ソーヴィニョン 33%
熟成:16 ヵ月熟成(新樽-40%、1年使用樽-35%、2年使用樽-25%)

THE VINEYARD

THE VINEYARD

グラーヴ地区の中央に位置するシャトー・フェランドゥのブドウ畑。94 ヘクタール(赤ワイン用89 ヘクタール、白ワイン用5 ヘクタール)の畑はグラーヴ地区特有のテロワールです。たとえば、土壌はおもに砂と砂礫で構成されていますが、地表には大き目の小石が多くみられます。きわめて水はけが良く夜も高温なため、果実の成熟が早く、エレガントで個性をもったワインを造ることができます。1 ヘクタールあたり9,600 本と非常に高い植栽密度で栽培されるブドウからは、香り高く繊細で、かつ濃厚なワインが作られます。

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

手早く収穫されたブドウは、熟成に好適な近代的醸造室に運ばれます。最新の温度管理システムを備えた高性能のステンレス製タンクから、さらにはブドウをきわめてデリケートに圧搾するプレスまで、このグラーヴのテロワールで丁寧に収穫されたブドウの力を最大限に引き出すべく、あらゆる努力が払われています。不快な風味が出ないよう、プレファーマンテーション(発酵前浸漬)は行いません。発酵温度は比較的低めの25℃~26℃です。15日間かけてアルコール発酵が行われます。注意深い醸造の後で、ワインは単一、もしくはブレンドされて使用済みオーク樽で熟成されます。期間は12 ~ 14カ月です。優秀で上質なワインを尊重し、卵白で清澄後、ビン詰めされます。

Behind the scenes

このシャトーの経営管理者でありワインの監修者でもあるマルク・マントナにとって、シャトー・フェランドゥは第2 の自分自身のようなものだと言います。銘酒を生み出すと同時に非常に気難しいこのテロワールを理解し、使いこなそうと、もう何年過ごしてきたのでしょう。「テロワールの特徴をよく反映するワインを造ろう。すっきりとしていてフレッシュかつエレガントで、そして美味しい料理と相性の良いワインを。」と自分自身に言い聞かせて毎年ワイン造りをしています。経験豊富で細部にも神経を尖らせてワイン造りをする彼は、バランスのとれたワインのデリケートさを誰よりもよく知っています。そんな彼だからこそ、ブドウ栽培の極意を会得し、芳醇で上品な素晴らしいワインを造りだすことができるのです。