カストル・ジロンド村にあるシャトー・フェランドゥは、もとはこの地の領主の館で、19 世紀末に改築された美しい建物です。このドメーヌの歴史は古く、紀元前1 世紀にはカストル村にローマ人が駐在していたことから、その頃から多くの人々が往来する大規模な集落があったと考えられます。シャトー・フェランドゥは、多くの傑出した人物が城主として名を連ねています。カステルファミリーは、当時の城主デルノー提督から土地を借り受け、16 年間経営にあたった後、1992 年にこのシャトーを買い取りました。最高の品質を追求し続けるシャトー・フェランドゥでのワイン造り。その姿勢と造られたワインの質が評価され、当シャトーは世界的な名声を勝ち取り、厳選されたメンバーのみが加入を許されるユニオン・デ・グラン・クリュのメンバーとなることができました。

Graves

Château Ferrande / Rouge

シャトー・フェランドゥ / 赤

2015

2015ヴィンテージは質、量共に特別な年でした。冬は通常の天気で(冬の2ヶ月は雨が多く、1月中旬~2月中旬が一番寒い)、続く春は乾燥し、暑く、開花にはほぼ申し分ない状況でした。6月は夏のような天気になり、アキテーヌ地方は100年に一度の暑さを経験しました。早めの開花と結実、そしてスピードも速く均一がとれていました。良いヴィンテージになるための初めの条件が揃いました。6月下旬~7月は乾燥し、気温も非常に高かったため成長のスピードが遅くなりました。色つきが始まるころ、樹の成長が止まりました。これも赤ワインが良いヴィンテージになる条件の一つです。9月と10月は涼しく日差しもあり、そして雨が降りませんでした。メルローの収穫は9月16日~9月23日に行われ、カベルネ・ソーヴィニヨンは10月4日~10月10日に行われました。共に良い状況で収穫をすることができ、素晴らしいヴィンテージを作ることができました。

The tasting notes

黒色がかった深く美しい紅色です。香りは赤果実の香りに、焦がし香やヴァニラの香りをほのかに感じます。口当たりはまろやか、ついで力強くシルキー、高貴なタンニンを伴うフルボディーが現れます。バランスが良く、余韻も長いです。

— FOOD/WINE PAIRINGS :

自家製テリーヌ、高級鶏肉、ブフ・ブルギニョン、アンズタケ添え子牛のロースト、牛塊肉、熟成チーズ。

— AGING POTENTIAL :

すぐに楽しめますが、冷暗所に寝かせて5~10 年の熟成もお勧めです。

— SERVE :

1時間半前に開栓、17度が理想的。

Technical details

栽培面積:90ヘクタール
栽培密度:9,600本/ヘクタール
品種:メルロー 51%、カベルネ・ソーヴィニョン 49%
熟成:12~14 カ月、フレンチオーク樽で熟成(新樽率25%)

Awards

médaille d'or
concours des grands
vins de france
macon 2017

médaille d'argent
concours général agricole
de paris 2017

THE VINEYARD

THE VINEYARD

グラーヴ地区の中央に位置するシャトー・フェランドゥのブドウ畑。94 ヘクタール(赤ワイン用89 ヘクタール、白ワイン用5 ヘクタール)の畑はグラーヴ地区特有のテロワールです。たとえば、土壌はおもに砂と砂礫で構成されていますが、地表には大き目の小石が多くみられます。きわめて水はけが良く夜も高温なため、果実の成熟が早く、エレガントで個性をもったワインを造ることができます。1 ヘクタールあたり9,600 本と非常に高い植栽密度で栽培されるブドウからは、香り高く繊細で、かつ濃厚なワインが作られます。

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

手早く収穫されたブドウは、熟成に好適な近代的醸造室に運ばれます。最新の温度管理システムを備えた高性能のステンレス製タンクから、さらにはブドウをきわめてデリケートに圧搾するプレスまで、このグラーヴのテロワールで丁寧に収穫されたブドウの力を最大限に引き出すべく、あらゆる努力が払われています。不快な風味が出ないよう、プレファーマンテーション(発酵前浸漬)は行いません。発酵温度は比較的低めの25℃~26℃です。15日間かけてアルコール発酵が行われます。注意深い醸造の後で、ワインは単一、もしくはブレンドされて使用済みオーク樽で熟成されます。期間は12 ~ 14カ月です。優秀で上質なワインを尊重し、卵白で清澄後、ビン詰めされます。

Behind the scenes

このシャトーの経営管理者でありワインの監修者でもあるマルク・マントナにとって、シャトー・フェランドゥは第2 の自分自身のようなものだと言います。銘酒を生み出すと同時に非常に気難しいこのテロワールを理解し、使いこなそうと、もう何年過ごしてきたのでしょう。「テロワールの特徴をよく反映するワインを造ろう。すっきりとしていてフレッシュかつエレガントで、そして美味しい料理と相性の良いワインを。」と自分自身に言い聞かせて毎年ワイン造りをしています。経験豊富で細部にも神経を尖らせてワイン造りをする彼は、バランスのとれたワインのデリケートさを誰よりもよく知っています。そんな彼だからこそ、ブドウ栽培の極意を会得し、芳醇で上品な素晴らしいワインを造りだすことができるのです。