18世紀、城主の住居用に切石を用いて建てられシャトー・モンラベールは、樹齢100年を超える樹木が点在する庭園に囲まれ、近くには宿泊施設を兼ねた建物に衣替えした旧狩小屋もあります。このサンテミリオン・グラン・クリュワイナリーは、リブルヌ街道に位置し、フィジャック台地と「グラース・ディウ」と呼ばれる地区のすぐ近くにあります。やはりグラン・クリュに格付けされているシュヴァル・ブラン、フィジャック、クロ・デ・ジャコバンといった著名なワイナリーも600メートル圏内です。シャトー・モンラベールの起源は、サンテミリオン地区におけるブドウ畑の歴史と重なります。シャトー・モンラベールという現在の名称は、18世紀の城主ジャン・ミシェル・デカーズ=モンラベール殿下の名に由来します。彼はここに大きな邸宅を建てました。邸宅を取り巻く庭園に植えた木はいまでも健在です。
サンテミリオンの格付けは10年ごとに審査されますが、2022年の審査でシャトー・モンラベールはグラン・クリュ・クラッセに昇格しました。

Saint-Émilion

Château Montlabert

シャトー・モンラベール

2020

Ch_Montlabert_GC_2020

2020ヴィンテージは厳しい試練の年でした。
冬は非常に穏やかでしたが、春は雨が多く、ベト病のリスクが高く、さらに自宅待機の指示が出ている中での対応を迫らせました。5月と6月は暑く、乾燥し、開花が始まりました。ヴェレゾンは順調でした。7月と8月は暑さのピークがありましたが、嵐の雨も降りました。9月は日中は気温が高めでしたが夜は涼しく、良い熟成度合いになりました。平均で10日ほど通常より早く収穫が行われました。試練の一年だったため、今までに経験が無いブドウ畑の衛生状態の中、収穫作業が行われました。

The tasting notes

色は深紅色の輝きをしたルビーレッドで、力強い黒系果実とバニラ、トーストの香りが印象的で、モンラベールの特徴的な香りが表現されています。味わいは濃く、個性豊かでバランスが取れており、タンニンが魅力的な味わいの骨格を構成しています。余韻も長く続きます。

— FOOD/WINE PAIRINGS :

フォアグラとイチジクを添えたウサギの テリーヌ、ローストチキン、子羊のあば ら肉、赤ワインのアントルコート ステー キ、熟成チーズ

— AGING POTENTIAL :

5~6年

— SERVE :

1時間前に開栓 17℃

Technical details

• 平均樹齢: 35年
• 株密度: 7500本/ha
• 15の区画があり、区画ごと「アラカルト」で作業を行います。
• 機械による除草も行いますが、自然に生える植物を生かし、ブドウの樹の畝と畝との間に草を生やすことも行います。
• 剪定はギュイヨ・ドゥーブルです。
• 除葉、余分な果房を除去、グリーンハーベストを手作業で行います。
• 手作業で収穫します。小さなかごに入れられたブドウは酸化を最低限に抑えるため重力を利用して行われます。
• 選果は3段階で行われます。
・醸造コンサルタント、ブアール氏と連携し、醸造を行います。区画ごとに醸造を行います。
• ピジャージュ、デレスタージュとルモンタージュを交互に行います。
• 発酵後7日間搾りかすで抽出を行います。複雑な味わいを保ちつつ、滑らかで繊細で長くシルキーなタンニンを得ることができます。
• マロラクティック発酵は1/3を新樽、2/3をタンクで行います。
• 14ヶ月熟成。50%新樽を使用、残りは1つのワインに使用された古樽を使用しています。5つの樽メーカーがあり、ミディアムからヘビーまで焼き方を変えた樽を使用しています。

品種:メルロー 77%、カベルネ・フラン 23%

HVE認証、テラヴィティス認証

THE VINEYARD

THE VINEYARD

モンラベールのテロワールは、 古くて深い砂地と、粘土質の下層土を伴う砂利質の 2種類の土壌で構成されています。2つの土壌が組み合わさることで、ブドウは深く根を張る必要性があります。そして土壌の水分管理が重要になります。排水、除草、葉の蒸発散量管理、区画の選択、 葉の摘み取り、グリーンハーベスト、さらには畝下の耕うん作業を再度行うなど 、 いくつかの栽培技術を用いてブドウを育てます 。
樹の根本に盛り土をかぶせたり、すき返すことを繰り返し行います。このように耕すことによって土壌が緩み、空気が含まれ、雨水の浸透が促進されます。また、そこに生えている草を自然に除去することもできます。
収穫は平均15日です。区画ごとに手作業で行われます。ブドウはワイナリーに到着後、選別機を使用して再度選別されます。テロワールとの向き合い方、そしてこの厳格な作業方法は、カステルのシャトーに対する想いを表しています。

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

Montlabert_Chai

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

•ブドウは手摘みで収穫され、小さな木箱に入れて運ばれます。受け取りは酸化のリスクを抑えるため、重力を利用します。

•ブドウの選別は3段階あります:手作業、機械、光学式機械。

•区画による醸造:成熟状態に応じて区画ごとにタンクを決定します。円すい台形のコンクリートタンク、逆円すい型のステンレスタンクがあります。

•ピジャージュ、デレスタージュ、ルモンタージュを繰り返します。

•オーダーメイドのタンク温度管理システムとコンピュータによる温度管理を行います。

•発酵後、マール(ブドウの搾りかす)の上で7日間抽出を行います。まろやかで繊細で長くシルキーなタンニンを生み出します。

•完璧に温度制御された地下のセラーで熟成を行います。最低限の作業を行います(澱抜き、ワインの補充)。

•14ヶ月熟成させます。新樽は50です。5種類の異なる樽メーカーと様々な焼き加減(ミディアムからホット の樽を使用します 。

Behind the scenes

Montlabert

醸造責任者で栽培主任でもあるリュドヴィック・エローは、ブドウとワインがその良さを最大限発揮できるように気を配ります。これは、ボルドー地方右岸の銘醸ワインらしさとして現れます。シャトー・モンラベールは、2011年産ヴィンテージより、テラ・ヴィティス証明(自然環境に配慮した農法の証明)を取得しました。

カステルファミリーは2009年以降、リュドヴィック・エローを年間を通して補佐するようユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ氏に応援を頼んでいます。カベルネ・フランのエキスパートとしての能力をシャトー・アンジュリュスで発揮しているブアール・ド・ラフォレ氏は、シャトー・モンラベールでもその経験を生かし、ここのすばらしいカベルネ・フラン種が、当地のテロワールでいかんなくその特性を発揮できるよう力を尽くしています。

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