プリニャック・アン・メドックに位置するこのシャトーの歴史は、ルスパールの領主がこのドメーヌを所有していた16 世紀にまで遡ります。現在のシャトーはブドウ栽培に力を入れるため、1856 年にセヌレ氏が建造しました。1935年に当ドメーヌはスペイン軍将校のデル・インファンタド公爵とフランカヴィラ氏に買い取られ、ブドウ栽培は行われなくなります。そして1973 年、カステルファミリーがこの土地を購入し、ブドウ栽培が再開されます。これと期を同じくして、大規模な改修工事も進められました。今日、シャトー・トゥールプリニャックはメドックでも最大級の広さを誇るドメーヌと、ブドウの品質を向上させるよう設計されたブドウ畑を所有するに至っています。

Médoc

Château Tour Prignac

シャトー・トゥールプリニャック

2014

ブドウ生育の前半と後半ではっきりと2つの季節がありました。前半の生育時期は涼しく、湿度もありました。後半の秋口は暑く晴れの日が続き、2014ヴィンテージらしさがはっきりと表れました。4月、5月の涼しく湿気があった時期、枝の成長は非常にゆっくりでした。6月は暑く、晴れの多い月だったため、10日ごろから樹の成長が加速しました。翌7月は気温が下がったため、成長が遅くなりました。ブドウの熟成期の降水量は少なかったです。9月と10月は特別な気候でした。乾燥し、非常に晴天の日が多くありました(右岸とは違い、左岸は9月に50mmの降水量はありませんでした)。

The tasting notes

濃いルビー色で、ほのかなスパイス香をともなった熟した赤果実の香りがします。滑らかなアタックとしっかりとしたボディーをつくる繊細なタンニンが感じられます。全体的にとても上品で、最後に美しい余韻が楽しめます。

— FOOD/WINE PAIRINGS :

テリーヌ、羊肉、鴨肉、サーロインステーキ、ソースを使った料理、上質なチーズなど。

— AGING POTENTIAL :

いますぐに飲むことが出来ますが、10~15年の熟成もおすすめです。

— SERVE :

1時間前に開栓、17℃が理想的。

Technical details

栽培面積:147ヘクタール
栽培密度:7,200本/ヘクタール
土壌:粘土石灰質、砂利質
品種:カベルネ・ソーヴィニョン 50%、 メルロー 50%
熟成:樽で16ヶ月間熟成

Awards

médaille d'or
Concours de bordeaux
vins d'aquitaine 2016

médaille d'or
concours des grands
vins de france
macon 2016

médaille d'argent
concours mondial
bruxelles 2016

the vineyard

the vineyard

所有地の総面積は、ブドウ畑の他に林や草地を含め300ha に及びます。ヤニック・ゲイの指導のもと、ブドウ畑が再整備されて植栽密度も上げられ、2003 年ヴィンテージより最適条件下でブドウ栽培が行えるようになりました。147ha のブドウ畑では、1ha あたり7,200 本という植栽密度を可能にしています。完璧な成熟を迎えられるよう、カベルネ・ソーヴィニヨンは最も暖かく条件の良い区画に植え直されました。素晴らしい個性をもった粘土石灰質土壌のテロワールが、ブドウを非常に上質なものに育ててくれています。

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

当シャトーの醸造所は近代設備を完備しています。ステンレスタンクは低温・高温ともに温度コントロールが可能で、テロワールやブドウ品種の特徴を引き出してより繊細な風味に仕上げるために、タンクはブドウ畑と近い温度で管理されています。1,400hlを超える容量を持つ2つのブレンドタンクでは正確に均一なワインを造りだしています。ここではメドックの伝統的製法を鑑みた上で、テクノロジーを駆使した醸造が行われています。その後はフルーティさと樽香のバランスを見ながらフレンチオークの樽にて10~14ヵ月の熟成が行われます。ここでのワイン造りは、全て繊細かつ精密に行われています。

Behind the scenes

情熱的な仕事人ヤニック・ゲイは人々に喜びを与えてくれるようなワインを作る伝統を守り続ける生産者の一人です。「ワイン造りの全てはブドウから始まります。いかにブドウを完璧に熟成させて収穫するかが最も重要です。そしてワインが樽で熟成されている間、我々はそこで育まれたブドウの恵みに感謝を捧げるのです。ワイン造りの仕事は、まずブドウ、そしてワインを愛する事だ。どのヴィンテージのワインも子供の誕生と同じ。我々は可愛らしい赤ん坊が生まれてくるのを祈るがごとく手を尽くす。」と彼は言います。これは疑いも無い事実です。

2014 年ヴィンテージからはアラン・レイノー氏のアドバイスのもとで醸造が行われるようになり、ワイン品質が一層向上しました。彼はポムロールのシャトー・ラ・クロワ・ド・ゲとサンテミリオンのグランクリュ、シャトー・デュ・パルクの所有者でもあります。彼の仕事は世界中に及び、特にナパ・ヴァレーのドメーヌ・ゴルジンでのコンサルティングは有名です。アラン・レイノー氏は1994 年から2000 年までユニオン・デ・グランクリュ・ド・ボルドーの会長を務め、今日ではグラン・セルクル(ボルドーのワイン協会)の創業者兼会長を務めています。