シャトー・ダルサンスの歴史は大変古く、ブドウ栽培は今から700 年以上前に、テンプル騎士団の先導によって始まりました。しかし1971 年にカステルファミリーがこのシャトーを取得した時、シャトーも畑も大規模な修復が必要な状態でした。それは同時に、他のシャトーにとって羨望の的となる、画期的なリノベーションの始まりでもありました。 1980 年代に史上初めての円形の醸造所を実現。 その中央には20万リットルの容量を誇る巨大なアッサンブラージュタンクが設置され、このタンクのおかげでどのヴィンテージも品質にばらつきのないワインを作り出すことが可能になりました。シャトー・ダルサンスに近づけば、オー・メドック地区クリュブルジョワの偉大なる歴史の中にいつのまにか入り込んでしまうことでしょう。そしてシャトー・ダルサンスの特徴的なスタイルは、威厳と格式を備えたオー・メドックのワイン達の中にその名を刻み続けることでしょう。

Haut-Médoc

Chevalier d’Arcins

シュバリエ・ダルサンス

2014

ブドウ生育の前半と後半ではっきりと2つの季節がありました。前半の生育時期は涼しく、湿度もありました。後半の秋口は暑く晴れの日が続き、2014ヴィンテージらしさがはっきりと表れました。4月、5月の涼しく湿気があった時期は、枝の成長は非常にゆっくりでした。6月は暑く、晴れの多い月だったため、10日ごろから樹の成長が加速しました。翌7月は気温が下がったため、成長が遅くなりました。ブドウの熟成期の降水量は少なかったです。9月、と10月は特別な気候でした。乾燥し、非常に晴天の日が多かったです(右岸とは違い、左岸は9月に50mmの降水量はありませんでした)。メルローの収穫は10月1日~6日、カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫は10月6日~10日に行われました。

The tasting notes

深い色です。香りはこのテロワールらしい香りがします。味わいは、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンのバランスの良さと、アルサンスらしいエレガントさを感じます。フィニッシュは味わい深く、上品な味が 続きます。

— FOOD/WINE PAIRINGS :

前菜などや、ソーセージ入りブリオッシュ、お肉料理、ウォッシュタイプのチーズ、セミハードタイプのチーズ。

— AGING POTENTIAL :

いますぐに飲むことが出来ますが、4~7年の熟成もおすすめです。

— SERVE :

1時間前に開栓。17℃が理想的。

Technical details

栽培面積:101ヘクタール
栽培密度:9.600本/ヘクタール
土壌:粘土砂岩質
品種:メルロー 60%、 カベルネ・ソーヴィニョン 40%
熟成:フレンチオーク樽で12-14ヶ月間熟成。

THE VINEYARD

THE VINEYARD

シャトーの敷地面積は170ヘクタールで、そのうち101ヘクタールがブドウ畑、1ヘクタールあたりの栽培密度は9,600株となっています。ブドウの樹の平均樹齢は20年~25年です。収穫は伝統的手法で行われます。成分が十分に凝縮し、最も良い成 熟状態に達したブドウを収穫するために、5月ごろから摘芽や摘葉をした後グリーンハーベストを行うなど、栽培には徹底した配慮がされています。砂岩と砂利が混じりあう土壌も、シャトー・ダルサンスのワインに特徴的なスタイルを持たせます。

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

THE VINIFICATION AND THE CELLAR

1971年から大規模な修繕工事が行われました。まずは醸造所には当時革新的だった円を描くようにタンクが配置されました。全てのタンクは温度調節機能を備え、アルコール発酵・マロラクティック発酵の各段階をより最適な状態で行うことがで きるようになりました。また、樽貯蔵庫には1500本以上のオーク樽が置かれ、ゆっくりと熟成を続けています。

Behind the scenes

非常に謙虚な性格の持ち主、それがメートル・ド・シェ、ブルーノ・テイシエです。 23歳からこのシャトー一筋で働く彼はその技術を認められ、40 代でシャトー・ダルサンスの総責任者になりました。 目的に向かって一直線に進む彼が常に念頭に置いていることは、シャトー・ダルサンスの真髄に忠実であること、そして、優美さを求めつつアッセンブラージュの際に細心の注意を払いながらワインをセレクトすることです。また、彼がもっとも魅かれるのはブドウの収穫で、彼にとってはまさに「幻想的な瞬間」なのです。

2007年ヴィンテージからワインコンサルタントのアントワーヌ・メドゥヴィル氏が醸造と熟成の指導に加わりました。メドゥヴィル氏はメドックワインのスペシャリストで、特にマルゴー、ムーリス、リストラック各村のテロワールを熟知しています。 著名なシャトー・ラベゴルスやシャトー・フォンレオー、シャトー・オーマルビュゼの醸造にも携わり、自身もシャト ー・フルール・ラモットの共同所有者でもあります。